「介護の資格なし」ても介護職に就ける。働ける施設。資格取得のすすめ
無資格でもできる介護の仕事と介護業界の現状
無資格でも介護業界で働ける
介護の仕事と聞くと、介護に関する特別な資格やスキルを有する人しかできないと思う人が多いですが、実は無資格でも介護の仕事に就くことは可能です。
介護の仕事は大きく分けると、利用者の自宅に訪問して介護を行う訪問介護、デイサービスやデイケアなどの施設へ通所する利用者の介護を行う通所介護、特別養護老人ホームや介護老人保健施設といった入居型施設での介護の3種類に分類されます。
なお、仕事内容や働く場所は、介護福祉士や介護職員初任者研修、ケアマネージャー等の資格の種類によって変わることはもちろん、資格の有無によっても変わります。特別な技術を必要とする介護の仕事ですが、無資格で働く人も多くいます。
介護業界は慢性的に人手不足
介護業界は慢性的に人手不足といわれています。その背景には介護業界全体の離職率の高さや高齢化社会といった問題が挙げられます。また、今後団塊の世代が後期高齢者となる頃にはさらに後期高齢者の割合が増加するため、より深刻な介護業界の人手不足が懸念されています。
このように慢性的、潜在的な人手不足を抱えているため、現在は無資格であっても採用されやすくなっています。
資格の有無による仕事内容の違い
無資格者が行える仕事とは
基本的に無資格者の場合は利用者の移乗動作(ベッドから車いすへ乗り移ったりすること)や食事動作といった介護業務は原則的に行うことができません。あくまでも介護補助や助手として有資格者がする利用者の介助を補助することしか行えません。
そのため、調理や掃除といった生活援助を行う訪問介護以外では、無資格者の仕事内容はほぼ同じです。
ただし、デイケアやデイサービスといった通所介護施設では、利用者を自宅まで送り迎えする送迎ドライバーを募集しています。運転手から介護の資格を取得するパターンも見られます。
無資格で介護の求人を探す方法
無資格の方が介護の職場を探す場合、ハローワーク、介護職専門の求人サイト、人材紹介サービスを利用することが考えられます。
ハローワーク
ハローワークは厚生労働省が運営しており全国に拠点があります。介護職だけでなく多くの職業の求人の紹介や求人の検索が可能です。また、個別に履歴書の添削や面接時のアドバイスなども行っているため、まずはハローワークに登録しておくといいでしょう。
住んでいる地域を中心に全国の求人を閲覧できますが、介護職を専門的に扱っているわけではないため、希望の条件の介護の求人がなかなか見つからない可能性があります。
介護職専門求人サイト
介護職専門の求人サイトは多くが登録制になっており、登録することで一般公開されていない求人なども紹介してもらうことができます。非公開求人含め求人数の多さがメリットです。
人材紹介サービス
人材紹介サービスは、担当のコンサルタントが就職までサポートしてくれる登録制のサービスです。自分の希望に沿った求人を紹介してくれるため便利です。
介護職に就くなら資格を取ろう
給与面のアップにつながる
有資格者と無資格者では、給与面において大きな違いが見られます。例えば介護職員初任者研修の資格がある人と無資格者では時給で100円以上の差がある職場もあります。国家資格である介護福祉士の資格がある人とでは、さらに大きな差となります。
また、資格があると、資格手当が付きますのでさらに大きな差になります。
介護業界で働くなら資格を取得するほうが有利に働く
資格がなくても介護の仕事は可能ですが、給与面や待遇面を考慮すると、できれば就職前に資格を取得することをおすすめします。それが難しい場合は、就職後に資格の取得を目指すことが望ましいでしょう。
介護職に就くなら最低限取りたい資格
介護職として仕事をするうえで、排泄介助や食事介助といった利用者の身体介助はどの職場でも必ず行います。無資格者では身体介助は原則できないため、介護の職場に就くなら身体介助を行うことができる介護職員初任者研修や実務者研修、介護福祉士といった資格を取得したほうがいいでしょう。
これらの資格を有することで給与もアップし、転職もしやすくなります。
介護職員初任者研修の特徴と取得方法
介護職員初任者研修は、介護に必要な基礎的な技術と知識を学ぶことができます。2013年より以前はホームヘルパー2級という資格がありましたが、ホームヘルパー2級が廃止され、代わりとなる介護職員初任者研修という資格ができました。介護職員初任者研修を取得することで、利用者の身体介護を行うことが可能になります。
介護職員初任者研修を取得するためには、専門の養成校などで130時間の講習を受けます。すべての講習を受けたのちに筆記試験に合格しなければなりません。ただし、筆記試験に万が一不合格の場合でも追試を受けることが可能で、試験内容も講習で学んだ内容のおさらいであるためほぼ全員が合格できます。
介護職員初任者研修は介護職として仕事をするうえで入門の資格のため、まずは介護職員初任者研修の取得を目指しましょう。
実務者研修の特徴と取得方法
実務者研修は旧ホームヘルパー1級と同じ位置づけの資格で、実務者研修の資格を取得することで介護福祉士の受験資格が得られます。現場での仕事内容は介護職員初任者研修と同様に利用者の身体介助や生活援助が中心ですが、たん吸引や経管栄養といった医療的ケアの知識を学ぶことが可能です。取得方法は専門の養成校にてすべてのカリキュラムを修了することで資格を得られます。
また、養成校によっては修了試験を設けている場所も存在します。すでにホールヘルパーや介護職員初任者研修を取得している場合、受講科目の一部が免除になる場合もあります。
介護福祉士の特徴と取得方法
介護福祉士は介護のプロであることを証明する国家資格です。介護の現場では利用者の身体介助を中心に行いますが、介護職のリーダー的立場として利用者の身体介助だけでなく、他の介護職員に対して介護技術等の指導を担当することもあります。
待遇面では資格手当が付く場合が多く、介護職員初任者研修と比べ給与面で差が見られるケースがほとんどです。介護福祉士の受験には、専門の養成校を卒業するか介護職としての実務経験3年以上、かつ実務者研修の資格を取得していることが必須条件です。
旧ホームヘルパーや介護職員初任者研修の資格では受験資格を得られないため注意が必要です。国家試験は年に1回で、合格率はその年によって差がありますがおおむね60%から70%程度と、合格率は高いといえます。
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取ることが理想の介護資格
ケアマネージャーの特徴と取得方法
ケアマネージャーは正式名称を介護支援専門員といい、利用者の介護プランを作成する重要な仕事です。利用者が介護サービスを受けるためには、介護認定を受けたのちにケアマネージャーが介護プランを作成する必要があります。また、利用者が事業所へ要望やクレームがある場合には、その旨を利用者に代わって伝える役割や、反対に事業所の意見を利用者やその家族へ伝えることも仕事です。
ケアマネージャーは介護福祉士と比べ給与面では月給で数万円もの差があり、キャリアアップのために他の介護職から資格取得を目指す人も多いです。ケアマネージャーを取得するためには年に一度行われる試験に合格しなくてはなりません。
受験資格は介護福祉士や社会福祉士などの国家資格に基づく実務経験が5年以上必要です。ケアマネージャー自体は国家資格ではありませんが、合格率は10%から20%程度とかなり低く、合格したあとにはさらに6日間の実務研修を受講します。この研修を修了することでケアマネージャーの資格を取得できます。
無資格者の職場選びのポイント
資格取得支援制度などサポート体制が整った職場を選ぶ
介護職は資格の有無によって資格手当に大きな差があり、給与面や待遇面に違いがみられます。そのため無資格から介護の仕事をする場合には、資格取得支援制度を設けている施設を選ぶことをおすすめします。
資格取得支援制度は大手グループなどでは積極的に導入しており、資格取得のための費用を一部負担してくれたり、独自の勉強会などを実施する施設もあります。また、資格取得支援制度を設けている派遣会社もあるため、こういった派遣会社を利用することもおすすめです。
資格取得により他の介護の職場への転職もしやすくなるため、介護の仕事に就くなら資格取得のサポート体制が整った職場への就職を積極的に検討しましょう。
おわりに
無資格の人手でも介護施設などで働くことは可能ですが、無資格者はできる仕事に大きな制限があります。資格を取得することで給与アップや昇進、さらには転職しやすくなるなど色々なメリットがでてきます。
当然、就職も有利になります。
資格取得には費用も時間もかかります。
無資格者が介護業界で長く活躍するのであれば、資格取得をサポートしてくれる職場への就職を目指しましょう。
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