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自分がこんなにママ友に影響されるとは思っていなかった。
よそはよそ、うちはうち、がこんなに難しいことだなんて。
しかし、子どもの事を思えば、周囲の情報に敏感になり、流行の波や時代の流れに乗り遅れないよう、子どもが恥ずかしい思いやみじめな思いをしないよう、必死になるというのが親というものだ。
英語ができればかっこいいとかすごいとか、そんな風にもてはやされるのはもう昔の話で、今を生きるグローバル社会の人々の間では、英語はできて当たり前、できないのは恥ずかしい、という風潮になってきている。
そうはいってもまずは家の中で自由に遊ばせて、小学生ぐらいになってから習い事を選ぶ時の候補に入れてあげれば良いかな、どうせ小学校から英語の授業が始まる時代になったわけだし、興味をもてはオプションで習い事を、と悠長にかまえていた。
そんな私の姿を見てピーチクパーチク世話を焼き始めたのは、近所のママ友たちだ。
「学校の勉強なんて意味ないわよ!」
「そうよそうよ、きちんと英語が喋れる子にしたいなら小学校に上がる前が勝負なんだから!」
「幼児期には耳の力がうんと伸びるんだって。この時期を逃すと、ネイティブみたいな発音は望めなくなっちゃうんだって」
こういった具合で頼んでもいないのに英語教室や幼児英語教育を勧めてくる。
別に学校の英語の授業が意味がないとは思っていない。
必要なことだから導入されたのだ。そして学校だって一生懸命創意工夫して授業を組み立てていくのだ。
そこには絶対に「意味」があり、本来学校があるべき姿でもあるのだ。
しかし、確かに週に数時間だけの学校での集団授業のみでは少々心許ない気持ちはあった。
だから、私は小学生になり、学校の英語だけでは物足りなかったら習い事にでも、と考えていたのだ。
ところが近所のママたちは違った。とにかく小学校に上がるまでが勝負なのだと言う。
「騙されたと思ってこのセミナー行ってきなよ」
そう言われ、渡させたちらしには「なぜ今プリスクールが注目されているのか!?幼児期の英語教育が見直されるわけ」というタイトルがでかでかと掲載され、講師らしき人物がこちらを向いてしたり顔で微笑んでいた。
無料のセミナーだったので、行ってみることにした。
セミナー会場に入ると予想外に多くの母親たちが既に会場内にあふれていて、正直驚いた。
皆こんなに英語教育に熱心なのか、と思って少し圧倒された。
セミナーの内容は、なかなか興味深かった。
そもそもプリスクールの何たるかすら知らなかった私だが、同じような人がたくさんいて、講師がプリスクールについて簡単に紹介してくれたのはとても有り難かった。
プリスクールとは、要するに、インターナショナルスクールの保育施設版のことで、園内では全ての会話が英語でおこなわれる。幼稚園や保育園と同じような位置づけではあるが、民営なのでとにかく高いらしい。
ただ、この高額な費用を払ってでも通わせたい親がたくさんいるため、最近話題になっているというのだ。
プリスクールの最大の特徴は、英語が溢れる環境で1日の多くの時間を過ごすため、ほぼネイティブ同様の英語力が身につくということだ。
特に、講師が言うには、ちょうど3歳から6歳ごろにかけて、子どもの聴覚がものすごく発達する時期らしい。
この時期に正しい英語を聞いて、また、それを真似して喋っていくうちに、いわゆるネイティブ英語に近い英語を会得する事ができるようになるのだという。
言語能力も急速に伸びる時期なので、語学学習には最適な時期なのだ。
これは実際に子どもたちを見ていてばよく分かることだ。2歳ぐらいからポツポツ喋り始め、幼稚園、保育園に通っているうちにペラペラとよく喋るようになる。
大人になってからプリスクールと同じ環境に放り込まれても、なかなかどうして、英語が喋れるようにならないという現象で、この聴力と言語能力についての説明がつく。この年齢の子どもたちだからこそ、大きな意味をもつのだ。
また、プリスクールはインターナショナルスクールの幼稚園版と考えてよいという事は、在日、駐日の外国籍家族が子どもたちを通わせる。となると、そこには多くの外国人の子どもたちが通うことになる。
つまり、外国の友人ができるというわけだ。
幼児期から自然に国際交流体験ができてしまうという環境で、異文化理解や、他民族主義を感覚的に学び成長できるという効果が期待できる。
プリスクールのデメリットを上げるとすれば、日本語は一切使わないため、家庭で日本語の教育をきちんとおこなう必要が出てきてしまう事だが、これは裏を返せば、自宅では積極的に日本語を使うという事で、一般的な英語教室のように「おうちでも沢山英語を練習してきてね」という、要するに家庭学習の時間を設けなくても良いという事になる。
これはなかなか子どもの習い事や宿題にかまってやれない家庭にとっては願ったり叶ったりだ。
また、講師はウズベキスタンという国を紹介して、家庭ではウズベク語、幼稚園や学校ではロシア語という2つの全く異なる言語環境で生活して、見事国民のほとんどがバイリンガルになっている事例を見せてくれた。だから安心してください、という事だ。
講師のプリスクールの説明を聞いて、なるほど、それは確かに価値のある環境かもしれない、と思った。
こういった環境は自分ひとりでは作ることができない。こういった場があるならば、活用しない手はない。
セミナーが終わると、会場の空気は「わが子をぜひプリスクールに!」というものにガラリと変わっていた。
熱気に押されて、私もついそんな気になる。
家に帰って主人にこの話をすると、眉をひそめて「でもすごい値段だな。こんなに高い金を出す余裕はうちには無いよ」と言われてしまった。
予想はしていたが、子どものことを思えば、このぐらいはどうにかならないかと私も食い下がった。
「うーん・・・」
主人もまた悩んでいた。たしかに内容としては素晴らしいものなのだ。
子どもに小さいうちから英語を習わせたいという私の意向には賛成してくれた。問題はどの程度予算を回せるか、だ。
「ちょっと保留で。俺も何か良い手が無いか探してみるよ」
主人がそう言ったので、その日の話し合いはこれまでとなってしまった。
私は逆にどうにかして主人を説得できないかあれやこれやと考えた。
「探せばあるもんだ。これ、どう?」
その翌日、主人がとあるホームページを見せてきた。
そこにはプリスクールが運営している英語教室の情報がのっていた。
プリスクールの全過程に入園させる事はできない子どもたちを対象に、英語教室としても英語に触れる機会を設けてくれているのだ。
運営側も苦労が多いようだ。このようにして、運営資金を集めているのだろう。
学童のような形でプリスクールに通う子どもたちが利用する事もできるらしく、つまりは、仕事が忙しい親御さんに預けられた外国のお子さんも多数その枠を利用しているという事なのだ。
これはなかなか良いかもしれない。
見つけてきてくれた主人に感謝感謝だ。
場所が気になったが、我が家からそう遠くなく、無理なく通えそうだった。
娘に「こういうのがあるんだけど、行ってみる?」と聞いてみると、乗り気な返事がかえってきたので、連れて行くことにした。
娘の英語力は、ハローとサンキューぐらいしか言えないが、大丈夫だろうか、と一抹の不安を抱えつつも、とにかくまずはどんなところか見てみたくて、家族揃って見学に行って来た。
英語教師の国家国際資格を持つ子供向けの英語レッスン【NovaKid】
プリスクールを訪れるのは初めてで、少し緊張してしまったが、中に足を一歩踏み入れただけで、見慣れた日本の風景とは少し異なるような印象を肌で受けた。
なんというか、違う国に来てしまったような気分になったのだ。
娘もそれを感じたらしく「外国に来たみたいね~」と言っていた。
外国に連れて行った記憶は無いのだが、テレビなどで見る外国のイメージと合致したらしい。
芝生の庭や、見慣れない遊具が置いてある広いプレイルームなど、アメリカのドラマなどで目にするような光景だった。
そこで、十数名の子どもたちが遊んでいたのだが、聞こえてくる会話は全て英語だった。
明らかに日本人同士でお喋りしている子どもも、英語で話している。どうやら、この場所では英語を喋る、という習慣が身についているようだった。
子どもたちが聞きなれない言葉で会話しているのを聞いて、娘の体が妙に強張ってきた。
やはり、ダメだったか。
そこで、案内してくれる先生が現れた。
彼女は普通に日本語で私たちに挨拶してくれて、園内を案内してくれた。
「ご希望の教室に関しては、入学試験があるわけではないですし、英語力がゼロのお子様でも安心して参加いただけるプログラムとなっておりますので、ご心配はいりません」
このように説明してくれたものの、私も娘も不安な気持ちは拭えなかった。
6畳ほどの小さめな部屋に案内され、
「通常は、プリスクールに通うお子さんたちと、うちの教室に通うお子さんたちが合同で過ごし、英語で交流しながら英会話を体得していくのですが、英語初心者のお子様はこちらの教室で基礎的な英語の学習をして、ある程度英語での意思疎通ができるようになってから、実際に英語のみの会話環境に移動することになります。また、学習進度により、理解が難しくなってきたら、都度日本語も交えながら英語の補講レッスンを取り入れるよう工夫しております」と説明を受けた。
ここで、ある程度の英語力を身につけてから、実際プリスクールに通っている子どもたちとお喋りを楽しんだりできるようになるという。
「プリスクールの子どもたちも、英語が話せないお友達がいるのを知っていますし、それはおかしなことではない、ここは日本なんだから、皆が話すのは日本語で、英語ができないことは決して恥ずかしくない、と指導していますので、その点もご安心いただけるかと思います」
要するに、英語ができないからといってバカにされるようなリスクも、大人の手によって軽減してあるという事だろう。
私たち親子がよほど不安そうな顔をしていたからか、全員にそう説明しているのか、そのあたりはよく分からなかった。
ひと通り説明を受けて、体験レッスンもできるがどうするかと言われたので、娘に聞いてみると「やる」と答えた。
体験レッスンは、本当に簡単な英語から始まった。
娘も、楽しそうに先生の後に続いて真似っこしたり、カードゲームを楽しんだりしていた。
30分ほどの体験レッスンが終わったころにはすっかりリラックスして「楽しかった!またやりたい!」と言っていた。
簡単な自己紹介や、挨拶はできるようになった娘に、先生が「外国のお友だちとお話してみる?」と聞いた。
娘が少し怯えながらも「お話してみる」と言ったので、先生が外で遊んでいた6歳くらいの年長生の女の子を呼んできた。日本人のようだった。
先生は流暢な英語で彼女に「この子は体験レッスンに来て、簡単な自己紹介と挨拶を勉強したの。それを使って会話してあげて」といったような内容を話したらしかった。
女の子は真面目に先生の話を聞いて「オッケー!」とニッコリ笑って、娘に「ハーイ!」と話しかけた。
娘も「ハ・・・ハーイ!」と返した。
「WHAT’S YOUR NAME?」
と、女の子がとてもゆっくり聞いてくれたので、娘もぎこちないながら名前を返した。
そして、2人でとても簡単なやりとりを数回ラリーした。
娘が途中で分からなくなってしまうと、パニックになる前に、先生が助け舟を出した。
基本的には女の子は日本語を話さないらしい。もしかしたら、日本人に見えるだけで本当は外国人なのかもしれない。
「英語でお話できたよー!」
娘は家に帰ってからもしきりにプリスクールでの体験談を繰り返した。
よほど楽しかったのだろう。
この反応を見て、私も主人も、プリスクール併設の英語教室に通わせようと決めた。
これならば、費用面でもかなり助かるし、まだ英語に慣れていない娘にとっても一番良い方法のように思えた。
これから娘が英語を恐れずどんどん使って、外国の人たちと何の不自由もなく楽しく会話ができるようになればという願いを込めて、娘を教室に通わせるうちに、家でも習ってきた英語を話すようになってきた。
娘が積極的に英語を使おうとしているのはとても良い傾向で、私も主人も、娘の英語にあわせて簡単な英語で返事をした。
これがそのうち、私たち夫婦にはついていけなくなる英語レベルになるのだろうか、そうなってくれれば良いが、と思いながら、娘を教室に通わせ続けた。
やがて、教室に通っている友人がたくさんできて、うちに呼びたいと言い出し、親子そろって3組ぐらいの仲良しの友人を招待し、私は私でお母さんたちとプリスクールの話に花を咲かせて沢山の情報を得て、子どもの英語教育の理想的な形などを語り合った。
留学させるためには幼児の頃から教育を受けさせるのが良いよね、という意見が多く、私は改めてこのタイミングでプリスクール併設の教室に通わせる事ができて良かったと思った。