1年間でTOEICの点数を400点上げた私がお教えする、英語マスターへの確実かつ最短の方法を伝授しよう。
まず先に結論から。
【見切りと、継続】
これが秘訣となる。
一見、矛盾しているように思われるが、これこそが秘訣なのだ。
焦らずに、ここから先も読んでいただきたい。
私がなぜ英語をマスターしようと思ったのか、そして、どうやって英語をマスターできたのか、お話ししよう。
もともと私の英語の能力は、TOEICで言えば450点だった。
中の下の下、ぐらいと言えるかと思う。
普通に中学、高校と英語の勉強をこなしてきて、どうにかこうにか旅行先で意思疎通ができる程度だ。英検で言えば3級程度、準2級が取れるかどうかくらいだろうか。
そこから私は1年間の英語の猛勉強を経て、860点にまでスコアを伸ばした。
もっとも、TOEICが全てのはかりにはならないため、この点数だけ見ても一概に「英語ができるようになった」と言えるわけではないのだが、私の場合は、どちらかというと目に見える形としてTOEICを受けたら、たまたま860点に達していただけで、別にこれを目標に勉強してきたわけではなかった。
私の目的は単純に、英語で仕事ができるようになる事だったのだ。
何よりもコミュニケーション力を上げて、英語で不自由なくビジネス会話ができるようになる事を目標に、英語力を上げようと一念発起した。
なぜ一念発起したかというと、私の勤め先が海外に進出することになり、本社に勤めていた私は、多くの外国人の方が出入りするのを間近で見ていたため、それがきっかけになったのだった。
エレベーターなどで一緒になっても「何階ですか?」や「お先にどうぞ」という簡単な英語すらまともに喋れず、たいそう落ち込んだのをよく覚えている。
そうこうしているうちに、海外進出に向けた新しいプロジェクトが立ち上がり、幸運なことにそのメンバーとして推薦されたのだが、嬉しい反面英語に自信が無く、そのことがストレスに感じられた。
このストレスから開放されるために、プロジェクトから降りようかとも思ったくらいだったが、折角のチャンスだし、ストレスの原因が英語だという事は分かりきっていたため、だったらいっそ英語ができるようになれば、ストレスなく新しいプロジェクトにポジティブな気持ちで取り組めるのでは、と考えたのだ。
これが、全てのきっかけだ。
外国人スタッフたちや現地の方々と英語でスムーズに会話できるようになること、勘違いや誤解なく意思疎通ができるようになること、これが果たせればのびのびと働けるに違いないと思ったわけだ。
かくして、私の英語の修行が始まったのだが、やろう!と思いたったものの、どうやって勉強するべきなのか、まずそこで躓いた。
英会話教室に通う英前留学が良いのか、通信で勉強するのが合っているのか、それとも書籍からスタートさせれば良いのか、世の中にはあまりにも多くの英語学習の手立てが溢れすぎていて、逆に迷ってしまった。
そこで、私はひとまず、色々ある学習方法の特徴をピックアップしてみた。
まず、真っ先に思いついたのが駅前などに店舗を構える英会話教室だ。
何種類かの英会話教室があるが、多くはネイティブの先生とマンツーマンで英会話指導が受けられるというものを売りにしていた。
マンツーマンのレッスンだと当然けっこうな額の費用が必要とされる。
もちろんそれだけの価値ある事だとは思うが、20代独身OLには痛い出費には違いない。
それに、これだけお金をかけても、週に1回、たった30分しかレッスンが受けられないなど、「本当にこれで英語力が伸びるのかな」と不安になる要素も多々あった。
教室によっては、月額制で、通い放題というものもあり、それはそれで魅力的だったが、通い放題にできるぐらいの月額なので、かなり高額で、とても手が出せなかった。
同じくネイティブと会話ができるというところに焦点を当てて、もっと安いものを、と探すと、スカイプレッスンというものに行き着いた。
スカイプで先生と繋いで英会話レッスンをするというものだ。
この方法で英語の勉強ができるというレッスンは、大手の企業から個人で売り出している先生まで、実に様々だった。
もちろん個人の先生の方が圧倒的に安い。ただ、ちゃんとした先生なのか分からないという不安がつきまとう。それに、異性の先生だったりすると、個人情報を知られてしまうのが怖い、という事も考えられる。
では大手の企業が実施しているスカイプレッスンはというと、それなりの費用はかかりるが、対面でマンツーマンレッスンを受けるよりは安く、また、自宅でできるので教室に通う手間や時間もかからず、そういった意味でもお得な印象だった。
通信環境に不安がある場合は、ちょっと考えたほうが良いかもしれないが、今はインターネット環境がかなり良くなっているので、あまりストレスは感じないのではないかと思う。
教室にいくならば、ネットでスカイプかな、と思いつつ、それでもやはり週にせいぜい1時間程度しかやりとりできないため、短期間で集中して英語力をあげるためには、自分での勉強もしっかりやらなければ、と思った。
独学で英語をやるならば、書店で売っている参考書や教本を買ってきて学習するか、テレビ講座やラジオ講座を聞くか、通信教材を取り寄せて勉強するか、主にこのようなやり方が思いつく。
CDやDVDがついているもの、TOEICのスコアを伸ばすことに重きを置いたもの、趣味と絡めて英語学習ができるもの、色々ある。
どれが自分に合っているのか、正直、やってみないことには分からない。
私は、独学用に、これらの教材を片っ端から試してみる事にした。
自分に合った勉強法を探ることにしたのだ。
ここで、最初にお伝えした【見切りと、継続】が活きてきたのだ。
お金は無限には無いものだから、まず、無料でできるツールやアプリを試すことにした。
無料でダウンロードできる優良なアプリもたくさんあるので、スマートフォン1台あれば、電車の中でもどこでも、気軽に英語学習ができるのだ。
いくつもの無料アプリを試してみて、良いもの、あまり良くないもの、色々分かってきた。
無料アプリにありがちなのは、広告を表示させるパターンで、これは最初こそあまり気にならないのだが、ずっと続けていこうと思うとかなり邪魔な存在だった。
広告を表示させないためには課金しないとならないので、その価値があるアプリなのかどうか見極める必要があったのだが、あまり「お金を払ってでも快適に使いたい」と思えるようなアプリはなく、そういったところは少し残念だった。まぁ、無料でどんなものか試せるだけ有り難いと思うことにしよう。
最初から有料でも、数百円程度で購入できる英単語暗記アプリなどもあり、いくつか購入してみた。
何万語もの英単語を覚えることができるアプリは悪くはなかったが、所蔵の単語数が多すぎて、逆にやる気がなくなってしまった。
覚えさせる方法も、はっきり言って創意工夫をこらしているとは言いがたく、覚えるのを苦痛と感じてしまうことがしばしばあり、長くは続かなかった。
スマートフォンアプリでの英語学習は、悪くはなかった。
ただ、ずっとスマートフォンの画面と睨めっこし、小さな画面上で英語をするという事が、私には向かないと感じた。こればかりは向き不向きというものがあるので、向いている人もいるのだろう。
そういうわけで、アプリは主軸にはならなかった。
数多くの無料アプリ、または格安アプリを、片っ端からダウンロードして、試して、そして「向かないな」と思ったらダラダラ続けずに見切りをつけて次のアプリを試すようにした。
2つばかり、スマートフォン内に残しておいても良いかな、と思えるアプリがあったが、このように自分に合っている教材を見つけるまでは、とにかく見切って見切って、次に進めていく方法が有効だった。
合わない教材でダラダラ勉強してもほとんど意味がないからだ。
そもそもスマートフォンのアプリはあまり向かないな、と感じた私は、今度は比較的安価で購入できる書籍にシフトチェンジしてみた。
何をすべきか考え、まずはボキャブラリーを増やさないことには英語で文章を組み立てることができないし、聞いても理解できないということで、単語や熟語を覚えるための書籍を購入してみた。
リズムに乗って覚えられるというCDがついたものが楽しそうだったので買ってみたが、確かにリズムに合わせて単語を並べてくれる事そのものは楽しかったものの、リズム音楽の方が印象的すぎて、肝心の単語が頭になかなか入ってこないなどの難点があることが分かった。
この方法が合っている人も勿論いるとは思うが、私は見切りをつけて次にいくことにした。
それからも色々な書籍でボキャブラリーを増やす事を試みたが、合うやり方、合わないやり方、色々あり、最終的には、学習方法の参考書も参考にして、「まず英語を見て日本語の意味がいえるようになること」から初めて、次に「日本語を見て英語で言えるようになること」を目指し、最後に「英語のスペルまできちんと書けるようになること」に辿り着けるような段階を踏んだ暗記方法が自分には最適だったという事に気付いた。
地道な方法で、おもしろくもなんともないやり方だったが、着実に覚えられる方法だったのだ。
そして、このやり方で覚えたボキャブラリーを、先に少し紹介したスカイプレッスンでアウトプットした。
少し不安はあったが、個人で先生をしている同性の少し年配の方に連絡を取り、週に2回、スカイプで1時間半程度お喋りの相手になってもらう事にしたのだ。
日本で暮らしていて、日本語も堪能な女性だったが、スカイプレッスン中は原則日本語は禁止。
たまに助け舟を出してくれることはあっても、原則英語だけでコミュニケーションをとるようにお互い努力した。
そして、私はこの2つの方法を見つけて「これが合っている」と確信してから、1年弱、ずっと続けて取り組んできた。
スカイプの方は、相手がいるので「やーめた」と放り出すわけにはいかない。継続させるのが苦手な人はこのように相手のいる方法で学習するのが良いのではないだろうか。私は別に何かを継続させるのが苦手というわけではなかったが、事情が無い限りはコンスタントに週に2回彼女と会話を楽しんだ。
それから、ボキャブラリーを増やしていく方の勉強も、ずっと続けた。これだ!と思った方法は意地でも続けること、そうすれば必ず報われる日がやってくる。
また、私は更にモチベーションを上げるため、日記添削を無料でやってくれる人たちが集まるソーシャルネットワークコミュニティーに参加し、毎日英語で日記を書いて投稿するという事もやっていた。
日記を投稿すると、ネイティブの方が私の日記を添削してくれるのだ。「これは自分の中では正しい英語のつもりで書いたんだけど、ダメなの?」といった質問も気軽にできて、皆とても親切に添削をしてくれるので、これが毎日の日記のモチベーションを高く保つポイントにもなった。
反対に、私が日本語の文章を添削する事もあり、持ちつ持たれつでそのSNSを楽しんだ。
毎日ボキャブラリーを増やして、日記を書き、週に2回スカイプでネイティブの方と会話する。
この方法をずっと続けた結果、私はTOEICで860点というハイスコアをたたき出すことに成功した。
これでもう新しいプロジェクトも怖くない。
それまでは、プロジェクトの事を考えると憂鬱な気分になり、不安に心乱されたりしたが、英語が話せるようになったという自覚をもっただけで、気持ちがものすごく軽くなった。
もう海外出張だって怖くないので、いつ現地にいって調査して来いというお達しがきても、ドンと来いという自信を持っている。
最後に、もう一度、自分に合った学習方法は、自分にしか分からないと声を大にして言おう。そして、実際にやってみないと分からないものなのだ、とも。
自分とよく向き合って、自分がどうなりたいのか、何が好きでどういう性格なのか、そこから見つめて、あらゆる方法を試し、しっくりくる学習方法に出会う事ができれば、そして、それを怠けずにずっと継続する事ができれば、英語をマスターできる道が広がるだろう。
「見切りと、継続」を意識して、自分と向き合って、ピッタリな学習方法を探してみてはいかがだろうか。
いつから初めても遅くない。人は1年でこれだけ変われるのだから。