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英語なんて日本に住んでいる限り使う事もないから、やらなくてもいいや、そう思って学生の頃はロクに勉強をしてこなかった。
実際、必要最低限、いわゆる「紙の試験」である程度の点数を取るところまでの知識さえあれば、高校にも大学にも進学できたし、就職活動でも英語がネックになるような事もなく、無事社会人になり、会社に勤めて平穏な日常を送れていた。
海外旅行に一度も行ったことが無いというわけではなかったが、近場のアジア諸国では日本語だけでもどうにかなってしまい、わずかな旅行会話の知識さえあれば何の問題も無かったし、一度だけ訪れたヨーロッパは完全なるパッケージツアーだったため、現地語はおろか英語すらひと言も喋らずに(まぁ、ありがとうのひと言ぐらいは口にはしたが)帰って来られた。
そうら見ろ、やっぱり島国日本では英語なんて喋れなくたって何の問題も無く生きていけるんだ。
そう思っていた。
この私の持論は、半分は正しかった。
確かに英語が喋れなくても、生きてはいける。
ただ「何の問題もなく」というのはどうやら少し認識がずれていたようだった。
ある日、私のところに部署異動の打診があった。
恒例の大掛かりな人事異動の時期で、適材適所というスローガンをかかげて、会社の偉い人から様々な打診を受ける。よほどの事がない限りはキャリアアップが狙える打診になるため、皆不安半分期待半分でこの時期を過ごしていた。
私のところに舞い込んできた打診は、かなりのステップアップが期待できそうなフロンティア分野のチームリーダーだった。
いきなりこんなに飛躍してしまって大丈夫なのかと不安になるくらいの人事 で、私は一体全体なぜその打診を受けたのか上司に聞いてみた。
ひとつには、普段の僕の勤務態度や、今の部署で出してきた成果などが認められたこと。
これは素直に嬉しかった。
そしてもうひとつには、上司がちょっとした勘違いをしていたこと。
私には外国人の友人が、割と多くいた。それは学生時代に入っていたサークルの関係で沢山の外国人と知り合う機会が多くあり、その繋がりが続いていたからなのだが、大前提として彼らとは日本語で会話し、僕は英語や他の外国語は一切話さずにコミュニケーションをとっていた。そこを、上司は「私は英語がペラペラ」と勘違いしてしまったのだ。
そしてそのフロンティア分野の業務では、海外事業所のスタッフたちとのやりとりが発生する。
つまり、英語ができるという能力は必須条件だったのだ。
どうりでとんでもないステップアップなわけだ。
提示してもらった条件を眺めると、ゴクリと生唾を飲んでしまうぐらい給料が上がる。
しかも今いる部署よりも残業などが少なくなりそうな業務内容なのだ。
この優遇は全て「英語ができる」というアドバンテージにかかってきているのだろう。
しかし、私には残念ながら上司の期待に答えられるだけの力が無かった。
一瞬、誤魔化してその場を取り繕って、死ぬ気で英語の勉強をすればどうにかなるかな、と思ったが、どう転んでも部署異動までにどうにかなるというレベルの話ではなかった。
私は上司に正直に自分は英語ができないという事を伝えた。
上司は「謙遜しなくていいよ。TOEICで700点超えてるぐらいの力があれば十分だから」と肩を叩いてくれた。
残念ながら、もう何年も前に受けるだけ受けてみたTOEICで400点そこそこしかいかなかった私にとって、その点数は雲の上の点数だった。しかもその時点から今に至るまで、私は一切英語に触れていない。
とどのつまりは、今受験しようものなら200点台も夢ではない、という状態なのだ。
私は包み隠さずその旨を上司に伝えた。
上司は残念そうに、そういう事ならば仕方ないな、と私の申し出を呑んでくれた。
私は、その日の帰り道、なんともいえないやるせなさに襲われた。
今の給料は決して良いとは言えなかった。実際のところもっと良い就労条件を求めて真剣に転職を考えはじめていた時期で、このまま同じ会社の同じ部署に居座り続けても将来に光は見えなかった。
しかしそうはいっても転職もなかなか難しいのだ。
今よりも良い条件を狙うという事は、自分自身に何かしら「自分を採用したら良いことがある」というアピールポイントがないといけない。そのアピールポイントが私には無かった。
そんな中での部署異動の話だっただけに、逃した魚は大きかった。
英語がキャリアアップやステップアップのために強力な武器になるんだという事に、私は始めて気付かされた。
そしてそんな落ち込む私に更に追い討ちをかけるように、会社から恐ろしい通達が出された。
その内容は、社員全員が英語の力を上げて、国際的に通用する企業を目指そう、というものだった。
TOEICの受験を推奨し、一定以上の点数をとった者には昇給や手当てがつき、キャリアアップにもつながるような優遇制度が導入された。
そして外国人の社員も増やしていくという事で、部署問わず、グローバル化を進めていくというものだった。
今の会社に居続けて、この中でステップアップしていくためには、英語能力が必須条件になってしまったと言っても過言ではないような状況下に置かれてしまったのだ。
他の企業はどうなんだろう、と思い、帰りの電車の中で調べてみると、大企業はグローバル化は当たり前のように進んでいて、既に全社員英語でコミュニケーションを取っている日本企業もあるという。
時代はここまできてしまったのか、と僕はショックを受けた。
この世界でのし上がっていくためには、英語は話せて当たり前だというのか。
他にこれといった特技を持っているわけでもなかった私にとって、キャリアアップやステップアップを狙う最短ルートは、ひとまずは「英語をマスターすること」という事になるらしい。
もうここで腹を括った方が良いのかな、と私はそんな事を思った。
実際問題、心配なく一生暮らしていくには今の年収では心許なく、このまま今の会社に残るにしても、転職するにしても、何か一つぐらい武器になるものを持っておきたかった。
そして僕は一念発起して英語の勉強を始めることにした。
しかし、いざ始めようとしても、どこからどう手をつけたら良いか分からない。
まさに、絶望だった。
勉強の仕方も忘れてしまったというのだろうか。
英語の参考書はとても沢山出回っていて、どれを選んだら良いか分からなかった。
目的が定まらないと、参考書ひとつ決めることができないと分かり、僕は、目下のところ会社で課題になっているTOEICの点数を取るための参考書を探した。
自分の今の実力がどの程度のものなのかも怪しかったが、少なくとも400点には到達していないというのは自分でも分かっていたので、本当に基礎の基礎から始めるための参考書を買う必要があった。
TOEIC対策ではなく、中学生英語から復讐するようなものの方が良いのかな、もっととっつきやすくて楽しく勉強できそうな参考書の方が良いのかな、など色々思い悩むことはあったが、とにもかくにも、目的を絞ると決めたのだから、TOEIC向けの参考書をとりあえず買ってみようと思い、手にとった。
パラパラと開いて見てみると、参考書というよりも問題集のような書籍だった。
そして、解説のページが充実していて、それが「参考書」と言われてみれば、参考書のような、そんな雰囲気だった。
しかし、これでどうやって勉強しろというのだ。
とりあえず問題を解いてみて、分からなかったところや、間違えたところを解説で勉強するようなイメージなのだろうか。
どうも、しっくりこなかった。
問題を解いてみたところで、全然分からずに困り果てるのは目に見えていたため、絶対にモチベーションが上がらないのは目に見えていた。
解けないと分かっている問題集に挑むほど、私のメンタルは強靭ではないし、物好きでもない。
やはり独学では難しいのだろうか。
誰かにコーチングしてもらった方が良いのだろうか。
そう思った僕は、TOEIC対策の英語教室を探す事にした。
そんなものあるのかな、と思って大して期待しないで探してみたのだが、予想に反してわんさか候補が出てきて、正直面食らってしまった。
世の中にはこんなにもTOEICの点数を欲している人がいるのか!と衝撃を受けた。
確かにTOEICは「英語ができます」という事を証明するためには有効なツールだろう。第三者が公正に判断して認定してくれた点数は、揺るがない「資格」としてその人の武器となる。
逆に低い点数を取ってしまったら、こそこそと「受けた事ないんだ」などと嘘をついても隠してしまいたくなるに違いない。
そういう意味で、TOEICはキャリアアップには最も手ごろな武器になり得た。
私はひとまず体験レッスンに行ってみようと思い、自分が住んでいる家の最寄り駅近くにある英会話スクールの体験レッスンに申し込んだ。
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緊張しながら教室へ向かうと、受付の方が「最初に実力テストを受けていただきます」と冷酷に笑った。
やはり避けては通れぬのだな・・・と、私は腹を括った。
試験の手ごたえは、正直なところ、ほとんど無かった。
宝くじか何か、そういった運試しをしているような気分にすらなりながら、ほとんど勘でマークシートを塗りつぶしながら、それでも薄ぼんやりとした記憶が少しでも残っているような問題は、ギリギリまで答えを迷っていたりして、そうこうしているうちに、実力テストはあっという間に制限時間を迎えた。
マークシートなので、結果が出るのも早い。
私は423点というスコアを叩き出した。
おお、400点を超えている!!
と、予想以上の高得点に一瞬安堵してしまいかけたが、勘で答えた問題がマグレで当たっているものも換算されているという事を思い出し、確信を持って答えて正解した問題の少なさの方に目を向けて自分を戒めた。
要するに、自分はやはり300点いくかいかないかぐらいの能力しかもっていないらしいという事が分かり、僕は気合を入れなおして、この英会話スクールでTOEICの勉強をしていこうと決めた。
やはり、指導してくれる先生がいるのといないのでは全く違うというのがよく分かった。
参考書だけでは、どのように勉強したら良いか分からずに足止めを喰らってしまっていたのが嘘のように、先生の言う通りに学習を進めれば知識も増え、理解も伸びていった。
具体的には、まず「これを次回までに覚えてきてください」と、単語やイディオムのリストを渡される。
参考書で独学でやろうと思うと、尋常ではないそのボリュームに恐れ戦いてしまい、手も出せないという事態に陥るのだが、手渡されるリストに載っているものは、1週間程度で十分に覚える事ができるもので、しかもTOECIで頻繁に使われる語句が厳選されているのでビジネス会話に特化したリストとなっている。
無駄なく、効率よく、よく出るところ、よく使うものだけ覚えていく、これが実現できそうだった。
それから、実際の授業では、練習問題を解いて、それに関してポイントを抑えた解説と、似た問題の事例などを紹介してもらえたので、頭にどんどん入ってきた。
独学学習が難しいと言われるリスニングも、先生がCDの英語をゆっくりと読み上げてくれたので、良いトレーニングになった。
手っ取り早い学習方法なんてない、というのを身をもって知る事になったが、私は少しずつ地道にコツコツと学習を進めた。いきなりビックリするぐらい点数が伸びるという珍事はもちろん起きず、覚えた単語が増えても直接点数には結びつかない悲しい思いもし、それでも先生を信じて、私は地味な勉強を続けた。
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そうこうしているうちに3ヵ月ぐらい経ったろうか。
何度目かの模擬テストで、私はついに600点に辿りついた。
それも、均等にだんだんと点数を伸ばしたのではなく、この時受けたテストで「分かる!」という経験をしたのだ。
言葉通り「手ごたえ」を感じた。
そして、それまで500点にいくかいかないかという点数だった私が、600点を突破した。
何かがスッとほどけたように、英文を理解する事ができた。
こんな体験は今までしたことがなかった。
この感覚は一種中毒性があるようで、私は更に高得点を目指して勉強に熱を入れた。
気付けば英語が趣味と言っても過言でないくらい、英語の勉強に没頭するようになっていた。
こうなれば、あとはもうこちらのもので、点数は後から後から自然についてきた。
そしてついに私は730点という大台を突破した。
これだけ点数をもっていれば、十分、あのフロンティア分野の部署でも通用するだろう。
しかも有り難いことに、教室では実際にネイティブの先生と交流する機会も沢山あったため、私はただTOEICのスコアが高いだけでコミュニケーションはてんでダメ、という残念な事態にもきちんと対策が取れていた。
リーディング、リスニング力はTOEICのスコアが物語り、加えてスピーキング、コミュニケーション力も高くなっていたのだ。
この事は私に大きな自信を与えてくれた。
私は今いる会社の中で飛躍できる事を確信し、ひとまずこのスコアを会社に提出すべく、胸を張って大きく一歩を踏み出した。
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